やまぐち幕末ISHIN祭

スペシャルインタビュー vol.1

「やまぐち幕末ISHIN祭~第1章~」の公式ロゴ・キャラクターデザインを制作したのは、NHKのソチオリンピック公式オープニング映像をはじめ、国内外へと活躍の場を広げている、山口市出身のアーティスト・YKBXさん。
キャラクター「松陰先生の妹 文ちゃん(以下、「文ちゃん」という)」誕生の裏話などについて伺いました。

――― キャラクターの「文ちゃん」は、平成27(2015)年のNHK大河ドラマ『花燃ゆ』の主人公、吉田松陰(よしだ しょういん)の妹「文」がモデルですね。

YKBXさん:はい。「文」についてはほとんど情報がなく、写真も晩年のものしかない。それほどミステリアスな女性がNHK大河ドラマの主人公としてフォーカスされるのは、新しいことだと思うんです。情報がない分、ノンフィクションだけど、フィクションにも近くなる。多くの皆さんは、「文」への固定観念がないだけに、大河ドラマの中で成長していく文さんや、キャラクターの「文ちゃん」に自己投影や感情移入をしやすいんじゃないでしょうか。だから、僕自身もドラマの展開がすごく楽しみですね。

――― ミステリアスで新しい!なるほどですね!YKBXさんは、いろいろなキャラクター作りに関わっておられますが、「文ちゃん」の誕生に当たってどんなことに苦労されましたか?

YKBXさん:一番苦労したのは目ですね。目って年齢や性格があらわれるんです。「文ちゃん」は幼く見えすぎても大人すぎてもよくない。実は最初、手のひらサイズの女の子、というのを考えたんですよ。それ以外にもいろいろなパターンを作って、中には髪がナツミカンというのも…。

公式ロゴの文字は「右肩上がり」。実は、松陰の字が右肩上がりだったことにちなんでいるんです。

――― えっ!髪は最初、ナツミカンだったんですか…?!(笑)

YKBXさん:でも、それはかわいらしすぎて。文さんってどんな女性だったんだろうと考えていく中で、県の担当者さんから「文さんは、塾生のアイドル的存在でありながら、凛とした強さを持つ女性だったのでは」と。そこで、その強さを目に託し、「きりっと正面を向いた、未来を見据える強い眼差し」を持ったキャラクターにしよう、ということになったんです。

――― 「文ちゃん」の凛とした眼差し、いいですね!可愛いだけじゃなく、自立した強さを秘めている感じがします。実際、文さんは志士の久坂玄瑞(くさか げんずい)の妻、久坂亡き後には楫取素彦(かとり もとひこ)の妻になるわけですもんね。「文ちゃん」が手に持っているのは本ですか?

YKBXさん:はい。どんな性格の女性だったかよく分からないからといって、ぼんやりとしたイメージのキャラクターでは駄目ですよね。キャラクターの性格は、持ち物など小物を通しても伝わります。「文」という名前や、文さんは松陰先生からきちんとした教育を受けてたのではないかというイメージをヒントとして考え、文ちゃんに本を持たせたんです。 (文ちゃんの髪を飾る)ナツミカンの花も印象的に使いたいと思っていました。山口県の県花でもあるし。そんなふうにいろいろな工程を経て誕生した「文ちゃん」なんです。

――― その「文ちゃん」がこうして誕生し、発表された今、どんなお気持ちですか?

YKBXさん:やっとスタートできたなという気持ちです。できれば、これからもどんどん積極的にプロジェクトに参加していきたいと思っているんですよ。単にキャラクターを作って終わりではなく、今までにないこと、山口県が注目される新しい何かができればいいな、と。僕の方からも、今までのネットワークなどを活用して、山口県のためにできることをどんどん提案していきたいと思っています。

――― 山口県発信で日本初とか何か新しいことができて注目される…と思うとワクワクしてきますね!YKBXさんというと「動く」映像のイメージが強いんですが。

YKBXさん:こういうキャラクターが動画になっているものって、今まであまり見たことがないので、「文ちゃん」を動かしてみたいって思っているんです。いろいろな表情やポーズで動く「文ちゃん」は絶対可愛いと思うから・・・

公式ロゴと公式キャラクター「松陰先生の妹 文ちゃん」が描かれたのぼりの前で、今後の展開について語る村岡嗣政知事とYKBXさん。(左から村岡知事、YKBXさん)

――― いろんな表情で動く…。想像するだけで「文ちゃん」がリアルに浮かび上がってきますね!ところで、今回、山口県とのお仕事を初めて受けられたわけですが、どうしてですか?

YKBXさん:そうですね。いろいろな仕事を引き受けることによって、少しずつ自分が成長していく中で、ふるさと山口に貢献したいと自然に思うようになりました。今回、突然お話をいただき、それがこんなに大きなプロジェクトの立ち上げから参加させてもらえる仕事であったことに驚くとともに本当に感謝しています。

――― それはとても嬉しいお話ですね!ありがとうございます!では、今後に向けて一言。

YKBXさん:「ISHINと言えば『文ちゃん』」といわれるぐらい、皆さんに愛着を持たれるキャラクターに育ってくれたら嬉しいです。お土産品やグッズなどいろいろな場面で使ってほしいですね。文ちゃんは、「ゆるキャラ®」ではなく「人」。皆さんに普通に好きになってもらえたらいいな、と。「ちょるる」とも友達になってほしいですね。よろしくお願いします。

YKBX

ディレクター/アートディレクター/アーティスト
山口県山口市出身

各種映像作品のディレクション・制作、イラストレーションなどを手掛け、国内外の映画祭やイベントで高い評価を受ける。平成24(2012)年、山口市のYCAM山口情報芸術センターがプロデュースした「THE END」では、全てのビジュアル・映像のディレクションなどを務め、平成25(2013)年にはパリ・シャトレ座で公演され、成功を収める。最近では、安室奈美恵さんのミュージックビデオや、「SAYONARA国立競技場プロジェクト JAPAN NIGHT」オープニング・エンディング等の映像ディレクションなど。2010年文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞、2011年同部門審査員奨励賞を受賞。

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