併願校の決め方で迷わない!受験生と親が知っておきたい選び方の基本

受験対策

「どの学校を併願校にすれば正解なの?」そんな疑問を抱えている受験生や保護者の方は、きっと多いと思います。

併願校の選び方を間違えると、受験当日のプレッシャーが増したり、進路の選択肢が狭まったりすることもあります。反対に、しっかりと戦略を立てれば、精神的な余裕を持って本命校に挑めます。

この記事では、高校受験・大学受験それぞれの「併願校の決め方」を、具体的な学校名や偏差値の目安を交えながらわかりやすく解説します。


併願校とは何か?まず基本をおさらい

「併願校」という言葉は聞いたことがあっても、正確な意味や受験での役割をきちんと理解している人は意外と少ないものです。ここでは、基本的な概念から確認していきましょう。

「併願」と「専願」の違い

専願(せんがん)とは、「その学校だけを志望します」と約束した上で受験する方式です。合格した場合は必ず入学する義務が生じます。

併願(へいがん)は、複数の学校を同時に受験できる方式です。他校の合格結果を見てから入学先を選べるため、進路の選択肢を広く持てるメリットがあります。

私立高校では「専願優遇」として、内申点の基準を下げてもらえたり、合格の可能性が上がったりする制度を設けている学校も多いです。一方、国公立大学の受験では専願という概念はなく、基本的にすべての受験が「併願」の形をとります。

このように、専願か併願かで受験戦略がまったく変わるため、最初に自分がどちらの形式で受けるかを明確にしておくことが大切です。

併願校を受ける目的とメリット

併願校を設ける最大の理由は、「合格の保険を持つ」ことです。志望校だけに絞って受験するのはリスクが高く、万が一不合格になった場合に行き先がなくなってしまいます。

主なメリットをまとめると、次の通りです。

  • 志望校(本命校)に万が一落ちたときの受け皿ができる
  • 複数校を受けることで本番の緊張感に慣れられる
  • 合格を早めにもらえることで精神的に安定して受験できる
  • 実力を客観的に把握する機会になる

特に「本番に弱い」と自覚している受験生は、試験慣れという意味でも安全校や実力相応校を早い段階で受けておくことが効果的です。早めに合格通知をもらうことで、本命校へのチャレンジに落ち着いて臨めます。

高校受験と大学受験での違い

高校受験では、公立高校が第一志望というケースがほとんどです。公立の入試は2月〜3月に集中しているため、それ以前に私立高校をいくつか受けて合格を確保しておく流れが一般的です。

大学受験では、国公立大学と私立大学の入試日程が異なるため、より複雑な組み合わせが生まれます。共通テストの結果を見てから出願先を絞る「後期日程」などもあるため、出願のタイミングが非常に重要になります。


併願校を決める前に確認しておきたいこと

実際に学校を選ぶ前に、いくつかの基本情報を整理しておく必要があります。準備が不十分なまま選んでしまうと、受験後に「こんな学校だと思わなかった」と後悔する原因になります。

現在の学力と志望校のレベルを把握する

模試の偏差値は、自分の実力を客観的に知るための最も信頼できる指標です。たとえば進研模試(ベネッセ)や河合塾全統模試など、志望校の合否判定が出るものを定期的に受けておきましょう。

一般的に、志望校の偏差値との差が5〜10程度の学校を「実力相応校」、それより10以上下の学校を「安全校」と考えるとわかりやすいです。たとえば偏差値65の高校を本命にするなら、実力相応校は60前後、安全校は55以下が目安になります。

ただし偏差値だけで判断するのは危険です。学校によって入試問題の傾向が大きく異なるため、過去問との相性も必ず確認するようにしましょう。

受験日程と出願期間のチェック

入試スケジュールの重複は、見落としがちなポイントです。特に私立大学は同じ時期に入試が集中しやすく、第一希望の入試と併願校の入試が重なるケースもあります。

出願締め切りは学校によって異なり、出願期間が短い学校は特に注意が必要です。スプレッドシートやカレンダーを使って、すべての学校の「出願期間・試験日・合格発表日・入学手続き締め切り日」を一覧化しておくと管理しやすくなります。

確認項目チェックのポイント
出願期間複数校の締め切りが重なっていないか
試験日本命校と日程が被っていないか
合格発表日次の出願手続きに間に合うか
入学手続き締め切り本命校の発表前に入金が必要なケースに注意

家庭の経済状況と学校の学費

受験校を増やせば増やすほど受験費用はかさみます。私立高校の受験料は1校あたり2万〜3万円、私立大学では3万〜3万5千円程度が一般的です。5校受ければ15万円以上になることも珍しくありません。

また、入学した後の学費も事前に確認が必要です。私立高校の年間学費は70万〜150万円程度と幅広く、特に学校の特色によって大きく異なります。奨学金制度や授業料支援制度(高等学校等就学支援金など)も活用できるかどうかを含めて、家族で話し合っておきましょう。

通学時間や生活環境も重要なポイント

「合格したけど通学が毎日2時間かかる」という状況になると、勉強時間や体力面で大きなロスが生まれます。特に高校は6年制(高校3年+大学受験)の観点から見ても、通学負担は軽視できません。

学校見学やオープンキャンパスに参加して、実際の通学ルートを体験しておくことをおすすめします。通学時間の目安は、片道60分以内が理想的です。


レベル別!併願校の選び方の基本

「チャレンジ校・実力相応校・安全校」の3段階で考えるのが、受験校選びの基本です。このバランスを崩すと、受験全体の計画が崩れやすくなります。

チャレンジ校・実力相応校・安全校のバランス

受験校は「3層構造」で組み立てるのが定石です。

  • チャレンジ校(背伸び校):合格可能性20〜40%程度の学校。ここを本命にする場合は1〜2校に絞る。
  • 実力相応校(実力校):合格可能性50〜70%程度。実力が十分に発揮できれば合格できるレベル。
  • 安全校(抑え校):合格可能性80%以上。ここだけは必ず確保する。

高校受験で3〜4校受験する場合の理想的な配分は、チャレンジ1校・実力相応1〜2校・安全校1校です。大学受験では、5〜8校が平均的な受験数になります。ただし受験校が多すぎると体力的・経済的な負担が増すため、多くても8〜10校程度に絞るのが現実的です。

偏差値の目安と選び方

偏差値は絶対的な基準ではありませんが、客観的な指標として活用できます。以下の表を参考に、各層の学校を選んでみてください。

区分偏差値の目安(本命との差)おすすめの校数
チャレンジ校+3〜101〜2校
実力相応校±0〜52〜3校
安全校−5〜151〜2校

偏差値の差がマイナス15以上になると「学力的に余裕すぎる」学校になるため、モチベーションの維持が難しくなることもあります。安全校もある程度の自分の関心を持てる学校を選ぶことが大切です。

模試の結果をどう活用するか

模試の成績表には、各学校の「合格可能性(A判定〜E判定)」が記載されています。これを単回の結果で判断するのではなく、複数回の模試の傾向を見て判断しましょう。

たとえばC判定が続いている学校を「実力相応校」、B判定以上が安定している学校を「安全校」と位置づけると判断しやすくなります。河合塾の全統模試や東進の共通テスト本番レベル模試など、志望校別の判定が詳細に出る模試を活用するのが特に効果的です。


高校受験における併願校の決め方

高校受験では公立高校が本命という受験生が多く、私立高校の受験がその前哨戦になるケースがほとんどです。公立と私立の入試制度の違いをきちんと理解した上で、計画を立てましょう。

公立高校と私立高校の組み合わせ方

多くの都道府県では、私立高校の入試(1〜2月)→公立高校の入試(2〜3月)という流れが一般的です。私立で合格を確保してから公立本命に臨む、というのがスタンダードな戦略です。

私立高校を選ぶ際は、公立本命と同程度か少し下のレベルを選ぶのが基本です。ただし、私立の方が進学実績や教育内容が充実している場合は、「第一希望を私立に切り替える」という判断も十分あり得ます。

内申点を考慮した志望校選び

公立高校の受験では、内申点(調査書点)が合否に大きく影響します。都道府県によって内申点の配点比率は異なりますが、全体の3〜5割を占めることが多いです。

内申点が目標より低い場合は、本番の学力試験で高得点を取る必要があります。そのため「内申重視型の学校」か「学力重視型の学校」かを見極めることが、学校選びの重要な軸になります。学校説明会や塾の先生に相談して、各校の選考基準を確認しておきましょう。

首都圏・関西圏など地域別の傾向

首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)では私立高校の数が多く、選択肢も豊富です。「東京都立高校」を本命にする受験生は、MARCH附属高校(明治大学付属・中央大学附属・立教池袋など)や日東駒専附属高校を安全校・実力校として組み合わせるケースが多く見られます。

関西圏(大阪・兵庫・京都)では大阪府立・兵庫県立などの公立トップ校が人気です。私立では関西大学北陽高校・近畿大学附属高校・大阪桐蔭高校などが選択肢としてよく挙がります。

地方在住の場合は私立の選択肢が限られるため、学力・費用・距離の3点を総合的に判断することになります。県外の私立高校を受ける場合は、下宿費用なども視野に入れる必要があります。

具体的な組み合わせ例(東京の場合)

たとえば都立日比谷高校(偏差値73程度)を本命にする場合の組み合わせ例は以下の通りです。

  • チャレンジ校:開成高校、慶應義塾志木高校など
  • 実力相応校:早稲田大学高等学院、城北高校など
  • 安全校:桐朋高校、錦城高校など

組み合わせに正解はありませんが、安全校は必ず1校は確保するようにしましょう。「どこにも受からなかった」という最悪の事態を避けるためにも、安全校の存在は精神的な支えになります。


大学受験における併願校の決め方

大学受験は高校受験に比べて、出願の選択肢が格段に増えます。国公立・私立、学部・学科・入試方式など、組み合わせの数は無限大です。だからこそ、方針を早めに固めることが重要になります。

国公立大学と私立大学の併願パターン

国公立大学と私立大学は入試日程が異なるため、基本的には両方受けられます。ただし、共通テストの結果次第で出願先を変更することもあるため、「前期・後期・私立」のバランスを事前に考えておく必要があります。

一般的なパターンとしては、「国公立前期が本命→私立3〜5校を並行して受験→不合格なら国公立後期や共通テスト利用で補う」という流れです。私立の入試は2月に集中しているため、国公立の出願準備と並行して対策が必要になります。

共通テストを活用した戦略

多くの私立大学では「共通テスト利用入試」を実施しており、個別入試を受けずに出願・合否判定を行ってもらえます。試験を1回受けるだけで複数の大学に出願できるため、受験の負担を減らしながら合格の安全網を広げることができます。

たとえば共通テスト利用入試は、MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)、関関同立(関西・関西学院・同志社・立命館)でも活用できます。本命校の個別入試に集中しながら、共通テスト利用で安全校の合格を確保するのは非常に効率的な戦略です。

学部・学科の方向性をそろえる重要性

併願校を選ぶ際、学部・学科の方向性をある程度そろえることをおすすめします。理由は2つあります。

1つ目は勉強効率の問題です。文系・理系をまたいだ受験は科目が異なるため、準備の負担が倍増します。2つ目は入学後の満足度です。「とにかく大学に入れればどこでもいい」という選び方をすると、進学後にやりたいことと学んでいることのギャップに悩む可能性が高くなります。

たとえば法学部志望なら、第一志望を東京大学文科一類にし、実力相応校に早稲田大学法学部、安全校に明治大学法学部や法政大学法学部などを選ぶ形が典型的です。

具体的な大学の組み合わせ例(理系の場合)

工学部・情報系志望の例:

  • チャレンジ校:東京大学理科一類、東京工業大学
  • 実力相応校:早稲田大学先進理工学部、東京理科大学工学部
  • 安全校:芝浦工業大学、日本大学理工学部(共通テスト利用)

このように、本命から安全校まで学問的な方向性を統一することで、どこに進学しても「やりたいことを学べる」環境が保たれます。


塾・先生・家族への相談の仕方

受験校の最終決定は一人で悩まず、信頼できる大人に相談しながら進めましょう。ただし、「とりあえず先生に任せる」のではなく、自分の意思を持って相談に臨むことが大切です。

担任の先生との面談で聞くべきこと

学校の担任の先生は、内申点や学校側の推薦状況について最も正確な情報を持っています。三者面談の場では次のことを確認しましょう。

  • 現在の内申点での合格可能性
  • 希望校への推薦・加点制度の有無
  • 過去の卒業生の合格実績
  • 出願書類の手続きスケジュール

また、担任の先生が「この学校は難しいかも」と言っても、最終的に受験するかどうかは自分と家族で判断してください。先生の意見は参考にしつつ、最終決断は自分たちで行うものです。

塾の活用方法と相談の仕方

大手塾(例:河合塾・駿台・東進・馬渕教室など)は受験情報が豊富で、最新の入試動向や合格ラインのデータを持っています。個別相談や進路指導の時間を積極的に活用しましょう。

相談時には「自分はどの学校に行きたいか」「どんな理由でその学校を希望しているか」を具体的に伝えると、より的確なアドバイスをもらえます。漠然と「どこかいい学校を教えてください」と言っても、ピントの合ったアドバイスは返ってきません。

家族で話し合うときの進め方

受験校の最終決定は、必ず家族で話し合って決めるようにしましょう。特に費用面や通学の問題は、本人だけでは判断できないことが多いからです。

話し合いの際には次の観点を整理しておくと、スムーズに進みます。

  • 受験にかけられる費用の上限
  • 通学可能なエリア・交通手段
  • 合格した場合の入学金・学費の準備
  • 進学後の希望(大学進学・就職・留学など)

こうした話し合いを早めに済ませておくことで、出願直前に慌てることなく、落ち着いて受験に集中できる環境が整います。


併願校を決めた後にやること

受験校が決まったら、次は対策の実行フェーズです。どの学校を受けるかを決めたことで満足せず、合格に向けた準備を具体的に進めていきましょう

過去問対策のスケジュールを立てる

受験校が決まったら、各校の過去問(赤本・青本)をそろえて出題傾向を把握しましょう。特に「問題の形式・記述量・時間配分」は学校ごとに大きく違うため、早めに慣れておくことが重要です。

目安として、本命校は5〜10年分・実力相応校は3〜5年分・安全校は2〜3年分を解いておくと十分です。過去問を解いたら必ず採点・分析を行い、苦手分野の補強につなげていきましょう。

受験当日のスケジュール管理

受験日が複数重なる時期は、体力と精神力の消耗が激しくなります。試験前日の睡眠・食事・持ち物の確認をルーティン化して、毎回安定した状態で試験に臨めるようにしましょう。

また、受験会場への交通手段と所要時間も事前に調べておくことをおすすめします。初めての会場には、可能であれば事前に下見しておくと安心です。

合格発表後の手続きを確認する

合格発表の後には、入学手続きの締め切りが設けられています。多くの私立学校では「合格発表から1〜2週間以内」に入学金を支払う必要があります。

本命校の発表前に安全校の入学金を払う必要が出る場合もあるため、「入学金を二重に払う可能性」を家族で事前に把握しておきましょう。最終的にどこに進学するかが決まったら、不合格だった学校や辞退する学校への連絡も丁寧に行うことが大切です。


まとめ:併願校は「戦略」と「自分らしさ」で選ぼう

併願校の決め方には、誰にでも通じる「正解」はありません。ただ、この記事で紹介したように「チャレンジ校・実力相応校・安全校の3層構造」を意識し、偏差値・日程・費用・学部の方向性を総合的に考えることで、無理のない受験計画が立てられます。

大切なのは、どの学校に入学しても「ここで頑張ろう」と思えるかどうかです。安全校であっても、自分が関心を持てる学校を選んでおくことで、合格後の充実した学校生活につながります。

迷ったときは担任の先生や塾の先生、そして家族と話し合いながら、自分にとってベストな受験計画を組み立ててみてください。準備が整えば、きっと本番でも力を発揮できます。

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