「共通テストって何から始めればいい?」「どの科目に力を入れるべき?」など、受験を前に悩みを抱えている高校生やその保護者の方はたくさんいます。
共通テストは、大学受験の第一関門。しっかりとした対策を早めに始めることが、志望校合格への近道です。この記事では、共通テスト対策のすべてをわかりやすく解説します。いつから、どの科目を、どのように勉強すればいいのか、具体的なスケジュールや参考書も紹介しています。ぜひ最後まで読んで、自分だけの学習プランを立ててみてください。
共通テストとは?まず基本をおさえよう
共通テストの全体像を知ることが、対策の第一歩です。「センター試験と何が違うの?」「何科目受けるの?」という疑問をまずはスッキリ解決しましょう。基本情報を理解することで、効率よく勉強の計画を立てられるようになります。
共通テストの概要と特徴
共通テスト(大学入学共通テスト)は、大学入試センターが実施する全国統一試験です。毎年1月中旬の土日に行われ、国公立大学だけでなく多くの私立大学でも利用されています。
最大の特徴は、知識の丸暗記よりも「思考力・判断力・表現力」を問う問題が多い点です。長文を読んで内容を把握したり、グラフや資料から情報を読み取ったりする力が求められます。
特に近年の傾向として、以下のような変化が見られます。
- 英語はリーディング・リスニングともに長文・実用文が中心
- 数学は日常場面に絡めた文章題が増加
- 国語は現代文に実用的な文書(会議録・広告など)が出題
単純な暗記だけでは太刀打ちできない設問が増えているため、読解力と情報整理力を日頃から鍛えることが大切です。過去問を解くだけでなく、新聞や長文読解の練習も取り入れてみましょう。
センター試験との違い
「昔はセンター試験だったのでは?」と思う保護者の方も多いはず。センター試験は2020年度(2021年1月)を最後に廃止され、2021年度から共通テストに切り替わりました。
大きな違いをまとめると、次のとおりです。
| 項目 | センター試験 | 共通テスト |
|---|---|---|
| 問われる力 | 知識・暗記中心 | 思考力・判断力・表現力 |
| 英語リスニング | 配点20点 | 配点100点(リーディングと同等) |
| 数学 | 計算・公式の適用が中心 | 日常場面との融合問題が増加 |
| 国語 | 文学的・論説文が中心 | 実用文・複数資料の読み比べあり |
この変化を踏まえると、「解き方のパターン」を覚えるだけでは通用しないことがよくわかります。普段から考える力を育てる勉強が大切です。
センター試験から共通テストへ移行して何が変化した?現役教育アドバイザーが詳しく説明
試験科目と配点の確認
共通テストで受験する科目は、志望大学・学部によって異なります。国公立大学の多くは5教科7科目を課しますが、私立大学は3教科程度のところも多いです。
2025年度以降、数学は「数学I・A」「数学II・B・C」の2科目構成となっています。理科・地理歴史・公民も選択方式なので、自分が受ける大学の「入試要項」を早めに確認することが重要です。
たとえば東京大学・京都大学・大阪大学などの難関国立大学では、共通テストの配点が合計900点満点となることが一般的です。志望大学の配点を把握したうえで、どの科目に力を入れるかを決めましょう。
共通テスト対策はいつから始める?
「対策はいつ始めればいい?」という疑問は、受験生のほぼ全員が持つ悩みです。結論から言うと、早ければ早いほど有利です。高校1年生でも今すぐできることはあります。各学年ごとにやるべきことを整理してみましょう。
高1・高2からできる準備
高1・高2の時期は、基礎学力を固める黄金期です。共通テスト対策という意識がなくても、日々の学校の授業を大切にすることが最大の受験対策になります。
この時期に意識してほしいことは3つあります。
- 定期テストで手を抜かず、各単元をしっかり理解する
- 英単語・漢字・数学の公式などの基礎を毎日少しずつ積み上げる
- 読書や長文読解で「読む力」を鍛えておく
地道に見えますが、高2までに基礎が固まっている生徒は、高3での伸びが全然違います。特に英語と数学は積み上げ型の科目なので、早期の基礎固めが後から効いてきます。スタディサプリなどのオンライン教材を活用するのもおすすめです。
高3春からの本格対策
高3の4月からは、共通テスト対策を意識した勉強にシフトしていきましょう。学校の授業が全範囲を終えるのを待っていると遅くなるため、予習を進めながら自分でカリキュラムを組むことが大切です。
春〜夏にかけてやるべきこととして、以下が挙げられます。
- 各科目の全範囲をひと通り復習する
- 共通テスト形式の問題に慣れるため、模試や予想問題集を活用する
- 弱点科目・単元を洗い出し、集中的に補強する
夏休みは受験において最大の追い込み期間です。河合塾・駿台・東進ハイスクールなどの大手予備校では、夏期講習が充実しており、弱点補強に最適なカリキュラムが揃っています。夏休みの使い方で秋以降の成績が大きく変わります。
直前期(11〜12月)の過ごし方
11月・12月は共通テスト本番(1月)の直前期です。この時期は新しい内容には手を出さず、演習と復習に集中することが鉄則です。
具体的には、共通テストの過去問や予想問題を本番と同じ時間・形式で解く練習(時間計測)を繰り返しましょう。解いた後は必ず間違えた問題を分析し、なぜ間違えたかを明確にすることが大切です。また、体調管理と睡眠も立派な受験対策です。睡眠不足は集中力と記憶力を著しく下げるため、規則正しい生活を心がけましょう。
科目別攻略法 英語・国語編
共通テストで配点が大きい英語と国語の対策は、多くの受験生が頭を悩ませる部分です。得点を安定させるためのコツを、科目ごとに具体的にお伝えします。
英語リーディング・リスニングの対策
英語はリーディング100点・リスニング100点の合計200点と、全科目中最大の配点を誇ります。特にリスニングの比重が大幅に上がったため、対策が欠かせません。
リーディングは長文が多く、速読力と情報処理力が勝負のカギです。読むスピードを上げるために、英文を毎日300語以上読む練習を習慣にしましょう。おすすめの参考書は「大学入学共通テスト英語リーディング(河合出版)」です。
リスニングは毎日10〜15分、英語音声を聞く習慣をつけることが効果的です。NHKラジオの「基礎英語」や「英会話タイムトライアル」も手軽に続けられます。本番では一度しか流れない問題もあるため、集中力を切らさない練習も意識してみてください。
現代文の読解力を上げる方法
現代文は「センスで解く科目」と思われがちですが、実は正しい読み方と解き方のルールがある科目です。論理的な文章の構造を意識して読む習慣をつけましょう。
共通テストの現代文では、複数の資料(本文・グラフ・他者の感想文など)を組み合わせた問題が出題されます。それぞれの情報を比較・整理しながら読む力が必要です。
おすすめの学習法は、「船口のゼロから読み解く最強の現代文(Gakken)」などで読解の型を学んだあと、共通テストの過去問で演習を重ねることです。自分の答えと解答の違いを丁寧に分析する習慣が、着実に読解力を高めてくれます。
共通テスト国語で8割超えを狙う!時間配分と解く順番の黄金ルール
古文・漢文の効率的な勉強法
古文・漢文は、短期間でも得点アップが狙いやすい科目です。覚えるべきポイントが明確なので、正しい方法で取り組めば一気に伸びます。
古文の基礎は古文単語と文法(助動詞の活用)の2点に尽きます。「古文単語ゴロゴ」や「マドンナ古文(Gakken)」で単語と文法を固めてから、読解演習に進みましょう。
漢文は返り点・句法(重要構文)を20〜30個マスターするだけで、大きく点数が安定します。「漢文ヤマのヤマ(Gakken)」は共通テスト対策として定評のある1冊です。古文・漢文は後回しにされがちですが、コスパが高い科目なので早めに着手することをおすすめします。
漢文の句法は語呂合わせで攻略!苦手な人でもスラスラ読める暗記術と勉強法
科目別攻略法 数学・理科・社会編
数学・理科・社会は、志望大学によって必要な科目が変わります。自分が受ける科目を絞り込んだうえで、効率よく対策を進めましょう。各科目の傾向と具体的な勉強法を解説します。
数学IA・IIBCの傾向と対策
共通テストの数学は、計算力だけでなく状況を読む力も問われます。文章が長くなったことで「何を求めているか」を素早く把握する力が重要になっています。
数学Iの「データの分析」や数学Aの「場合の数・確率」は毎年出題されるため、確実に得点できるよう準備しておきましょう。数学IIBCは計算量が多いため、制限時間内に解ける練習(時間配分の練習)が特に大切です。
おすすめ参考書は「チャート式(数研出版)」で基礎を固め、「共通テスト対策問題集(Z会出版)」で演習を重ねる流れが効果的です。苦手な単元は放置せず、早めに個別指導塾や質問できる環境を使って解決しましょう。
理科科目の選び方と勉強法
理科は「物理・化学・生物・地学」から選択します。志望大学の指定科目をまず確認することが最優先です。理系の国公立を目指す場合は、物理・化学の組み合わせが選ばれることが多いです。
各科目の特徴をまとめると次のとおりです。
- 物理:計算が多い。原理の理解ができれば安定して高得点が狙える
- 化学:暗記と計算のバランス型。有機化学・無機化学の知識が重要
- 生物:暗記量が多い。考察問題が増えており、丸暗記だけでは通用しない
- 地学:選択者が少なく、参考書が限られるが、比較的取り組みやすい
どの科目を選ぶかは、得意・不得意よりも「志望学部の要件」を優先して決めましょう。医学部や工学部では物理・化学が必須のことが多いため、早めに確認しておくことが重要です。
社会科目の効率的な暗記法
地理・歴史・公民のいずれも、共通テストでは単純な用語の暗記より、流れや因果関係の理解が求められます。「なぜそうなったか」を意識しながら学ぶことが大切です。
日本史・世界史は時代の流れをつかむため、まず教科書を通読してから用語集を活用するのが王道の学習法です。地理は統計資料の読み取りに慣れることが重要で、データブックなどを手元に置いて学習しましょう。
倫理・政治経済は比較的短期間でも点数を伸ばしやすい科目です。「蔭山の共通テスト政治・経済(Gakken)」などでポイントを押さえ、過去問で定着を確認するサイクルが効果的です。
おすすめ参考書と過去問の使い方
参考書は多すぎても迷ってしまいます。「これを完璧にする」という1冊を決めて、徹底的にやり切ることが大切です。ここでは科目別のおすすめ参考書と、過去問の正しい活用法をまとめます。
科目別おすすめ参考書リスト
以下は共通テスト対策として定評のある参考書をまとめたものです。
| 科目 | 参考書名 | 出版社 |
|---|---|---|
| 英語 | 共通テスト英語リーディング | 河合出版 |
| 現代文 | 船口のゼロから読み解く最強の現代文 | Gakken |
| 古文 | マドンナ古文 | Gakken |
| 漢文 | 漢文ヤマのヤマ | Gakken |
| 数学 | チャート式(青チャート) | 数研出版 |
| 化学・生物・物理 | 共通テスト対策問題集 | Z会出版 |
| 政治経済 | 蔭山の共通テスト政治・経済 | Gakken |
参考書はあれもこれもと手を出すより、1冊を3回繰り返すほうがはるかに効果的です。特に基礎固めの段階では、薄くてわかりやすい1冊を完璧にすることを意識しましょう。
過去問活用の正しいタイミングと方法
過去問は「実力確認」と「本番慣れ」の両方を同時にできる最強のツールです。しかし使い方を間違えると効果が半減します。
過去問を始めるタイミングは、各科目の基礎が8割程度固まった秋(10月〜11月)以降が目安です。それより前に解いても点数が取れず自信を失うだけになりかねません。
正しい活用法のポイントは以下のとおりです。
- 本番と同じ時間・環境でタイムを計って解く
- 解き終わったら正誤だけでなく「なぜ間違えたか」を必ず分析する
- 同じミスを繰り返さないよう、間違いノートを作る
過去問は2015年度以降のものが大学入試センターのウェブサイトで公開されています。また、共通テスト本番レベル模試(東進)や全統共通テスト模試(河合塾)などの模試も積極的に受け、本番の雰囲気に慣れておきましょう。
塾・予備校と独学の賢い組み合わせ方
「塾に行くべき?」「独学でも合格できる?」という疑問は多くの受験生が持っています。どちらが正解ということはなく、自分の状況に合った方法を選ぶことが大切です。代表的な選択肢を整理してみましょう。
共通テスト対策が強い塾・予備校の選び方
大手予備校はそれぞれ特色があります。自分の目的に合った塾を選ぶことが、費用対効果を高めるポイントです。
- 東進ハイスクール:映像授業が中心で自分のペースで進められる。共通テスト本番レベル模試が充実
- 河合塾:集団授業で質の高い講師が揃う。共通テスト対策コースも豊富
- 駿台予備校:理系科目の指導が特に強い。難関大志望者に人気
- 代々木ゼミナール:リーズナブルな料金で多彩なコースを選べる
塾を選ぶ際は必ず体験授業を受けてから決めることをおすすめします。「講師との相性」「通いやすさ」「費用」の3点を軸に比較してみましょう。
オンライン学習サービスの活用
最近は塾に通わなくても、質の高い授業がオンラインで受けられる時代になっています。スタディサプリ(リクルート)は月額2,000円程度で全科目の授業が受け放題のため、コスパ最強のサービスとして受験生に広く使われています。
また、Classi(クラッシー)やZ会のオンラインも、共通テスト対策コンテンツが充実しており、自宅で本格的な演習ができます。特に地方に住んでいて通える塾が少ない場合や、部活と両立したい場合に、オンライン学習は非常に有効な選択肢です。
独学との組み合わせ方
塾やオンライン教材を使っていても、最終的に勉強するのは自分自身です。授業を受けっぱなしにせず、必ず自分で手を動かして復習することが重要です。
効果的な組み合わせの一例として、「塾の授業で理解→自宅で参考書を使って復習→過去問で実践確認」というサイクルが挙げられます。また、塾は苦手科目に絞って利用し、得意科目は独学で進めるという方法も、費用を抑えながら効率を高めるうえで有効です。自分の学習スタイルをよく把握して、最適な方法を探してみてください。
本番に向けたメンタルと体調管理
どれだけ勉強しても、本番当日に実力が出せなければ意味がありません。試験直前期のメンタルと体調のケアも、れっきとした受験対策のひとつです。万全の状態で当日を迎えるための方法をご紹介します。
試験前日・当日の過ごし方
試験前日は、新しい問題は解かず、これまでやってきたノートや参考書を見直す程度にとどめましょう。直前に難問を解いて自信を失うのは逆効果です。
当日の朝は、消化のよい食事をしっかりとることが大切です。脳のエネルギー源となるブドウ糖(ご飯・パン・バナナなど)を摂ることで、集中力が持続します。試験開始の30分前には会場に着くよう、時間に余裕を持って行動しましょう。
また、会場では「自分が解ける問題から解く」という基本戦略を徹底してください。わからない問題に時間をかけすぎず、時間配分を意識して全問に手をつけることが高得点への近道です。
スランプを乗り越える方法
受験勉強をしていると、模試の点数が伸びない・やる気が出ないといった「スランプ」に陥ることがあります。これは多くの受験生が経験することで、珍しいことではありません。
スランプのときに効果的なのは、一度立ち止まって得意科目や基礎問題に戻ることです。「解ける問題を解く」という経験が自信の回復につながります。また、勉強時間を少し短くして、散歩や軽いストレッチなど体を動かすことも気分転換に有効です。
保護者の方へも一言。スランプ中の受験生には、プレッシャーをかけるより「頑張ってるね」というひと言のほうが、大きな支えになります。
集中力を保つ生活習慣
受験期に特に意識してほしい生活習慣として、以下の3点があります。
- 睡眠は6〜7時間以上確保する:睡眠不足は記憶の定着を妨げる
- スマホの使用時間を管理する:アプリの通知をオフにし、勉強中はカバンに入れるなど工夫する
- 朝型の生活リズムに切り替える:共通テストは朝から始まるため、早起き習慣が有利
特に睡眠は、勉強した内容を脳に定着させるために欠かせません。「夜遅くまで勉強する」より「早く寝て早く起きる」ほうが、記憶力と集中力の両方に効果的です。受験は長距離走です。コンディションを整えながら、着実に前へ進みましょう。
まとめ 共通テスト対策を今日から始めよう
共通テスト対策は、早く始めるほど選択肢が広がります。この記事でお伝えしたポイントをまとめると、次のとおりです。
- 共通テストは思考力・判断力・表現力を問う試験で、暗記だけでは通用しない
- 高1・高2から基礎を固め、高3秋以降に過去問演習に集中するのが理想的な流れ
- 科目ごとに適切な参考書を1冊選び、繰り返し取り組むことが大切
- 塾・予備校・オンライン教材を上手に組み合わせて、自分に合った学習環境を作る
- 本番直前はメンタルと体調管理も勉強の一部と考える
まずは今日から、できることを一つ始めてみましょう。単語を10個覚えるだけでも、数学の例題を1問解くだけでも、それが積み重なって大きな力になります。
共通テストは難しい試験ですが、正しい方法で続ければ必ず結果は出ます。自分のペースで、一歩一歩進んでいきましょう。
